アイヌ語入門3
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3−2 歌と踊りと楽器 <1 歌と踊り>
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1 歌と踊り
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様々な種類の歌や踊りの中から、
いくつかをとりあげて紹介します。
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●座って数人で歌う歌
数人の歌い手が漆(うるし)塗りの器の蓋(ふた)を囲んで座り、
全員で蓋を手で軽く叩いて拍子をとりながら歌います(下図)。
このように二人以上で歌う時の歌い方にはいくつか種類がありますが、
比較的よく知られているのは、一人ずつ、
または何人かのグループに分かれて、
同じ歌を一定の間隔をおいて歌い出す、というものです。
ひとつのメロディを少しずつ間をおいて歌っていくことによって、
複雑だけれどもまとまりをもった響きを生み出しています。
こうした歌い方は、他の踊りの曲などでも使われます。
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(画:杉山寿栄男氏)
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旭川市で伝承されている歌の一例です。
「 ポン クトシントコ イタソ カ タ
エトゥニン トゥニン エトゥニン チャリ
pon kutosintoko itaso ka ta etunin tunin
etunin cari 」という
歌詞を繰り返し歌っているところです。
この歌では「ポン」のところを高い裏声で歌うので、
全体に低めの声で歌われる響きの中で、
この部分に来るとポンポンポン…と、
次々と浮かび上がるように聞こえてきます。
上の譜例は、2003年に旭川の杉村フサさん、
太田シゲエさんほかに演唱していただいたときの録音をもとに、
当センターで作成したものです。
(座って数人で歌う歌は、通常、いくつかの曲を次々と歌いついでいきます。
前のページの「聞いてみよう」の、前の歌の最後の部分から、
この歌に入り、次の歌になるところまでを収録しています。)
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