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アイヌ語入門
アイヌ語入門2 目次
02_02 さまざまな口頭文芸
コラム「口頭文芸によく見られる表現」
アイヌ語入門2
2−2 さまざまな口頭文芸 <英雄叙事詩>
コラム − 口頭文芸によく見られる表現
例えばこの
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で紹介した英雄叙事詩では、 この後の場面で、 戦いが長く続く様子を「二年がかり/三年がかりで/戦って……」 と対句のような表現を使って語られています。 『神謡』にて語られています、 「着物の/(縫い目の)二つの聞に上手で、 縫い目がたいへん美しいことを述べるときによく見られる表/ 二つの光が/きらきらと光り/ 三つの光が/きらきらと光りました」とあるのは、 縫い物が現です。 このような、 ある様子を述べる際に似たような表現を用いることは、 アイヌの口頭文芸の特徴の一つです。
また、「窓の縁の上」を言うのに「窓の縁/縁の上で」 と繰り返しのような表現を使うことや、 ものの呼び名などに日常の会話などで用いるものとは違った言葉を使う例もあり、 後者は、特に英雄叙事詩に多く見られます。
こうした表現は、 語るメロディーにのせやすい言葉になっていることも多く、 それらをたくさん覚えて、 場面に合わせて使いこなせるようになることで、 物語をより巧みに語れるようになるのだとされています。
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物語の例:「鹿の角のある衣を身につけた少年の物語」の紹介
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神謡とは
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●アイヌ語入門 2
2-
1
アイヌの口頭文芸のあらまし
・口承文芸(口頭文芸)とは
・歴史と現状
・コラム「アイヌ口頭文芸の調査・
研究の歴史」
2-
2
さまざまな口頭文芸
・さまざまな口頭文芸
・コラム「「ユーカラ」という言葉」
<英雄叙事詩>
・英雄叙事詩とは
・物語の例
―「鹿の角のある衣を身につけた
少年の物語」の紹介―
・コラム
「口頭文芸によく見られる表現」
< 神 謡 >
・神謡とは
・物語の例―「火の神」の紹介―
・コラム「カムイ」
<散文説話>
・散文説話とは
・物語の例
―「六重の喪服を着た男」の紹介―
・コラム「物語の"語り役"」