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小母は、「あなたさま、私に黙って出かけるということがありますか。
私が来たからには心配
しないでください」と言って、
相手をどんどん倒していきます。二人で戦って、
連中をどんどん倒し、
大男と悪い女が手に手をとって逃げるのを追いかけ、
悪いやつばかりの国でも戦ってやっつけて、
そしたらまた男と女は逃げるので……と、
どんどん戦って追いかけて行くと、
いよいよ、
もうそれより行くところのない世界のはずれに来ました。
そこで相手二人との戦いになって、
激しい激しい戦いのすえ、私は大男を、
小母は悪い女をたおしてしまいました。
戦いも終った今となっては、
安心して家に帰るのです。
(北海道教育委員会生涯学習部文化課編
『アイヌ民俗文化財口承文芸シリーズ八重九郎の伝承(6)』
北海道教育庁1998年所収。このページと『火の神』、
『六重の喪服を着た男』に掲載した物語のあらすじは、
それぞれ出典の文献をもとに当センターで作成したものです。)
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『アイヌ民俗文化財口承文芸シリーズ
八重九郎の伝承(6)』
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