アイヌ語入門1 

1−1 アイヌ語の発音と表記
[少しくわしく] アイヌ語の文字と表記
  アイヌ語は、特定の文字で表記する方法が定まっていません。 そのため、「アイヌ語には文字がない」といわれることも多いようです。
 しかし、大正時代のころからは、アイヌ自身もローマ字やひらがな、カタカナなどを用いて、アイヌ語を書き残しています。
 現在では、まだまだ数は少ないながらも、アイヌ語の辞典や学習教材なども出版されるようになり、 それらの文献でも、主にローマ字やカタカナを用いてアイヌ語を表 記しています。
 1994(平成6)年に、社団法人北海道ウタリ協会(現:社団法人北海道アイヌ協会)が 編集・発行したアイヌ語教科書『アコ イタは、道内各地のアイヌ語教室の代表者やアイヌ語研究者が参加して、 編集のための会議を重ねて発行されたものです。
 このようにアイヌ語学習の当事者と アイヌ語研究の専門家が協力してアイヌ語の教科書が作られたのは、初めてのことでした。

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[少しくわしく] アイヌ語の文字と表記
アコロ イタク

< アコ イタ >

 (つづき)
 この『アコ イタにおけるアイヌ語の表記は、 アイヌ語の発音(カタカナ表記とローマ字表記)の ページに載せた表にしたがい、カタカナとローマ字で併記することを基本にしています。
 この方法は、各地のアイヌ語教室や研究者による入門書・学習書などで広く使われるようになってきています。
 当研究センターでも、『アイヌ文化紹介小冊子』をはじめとする出版物では、 この表記法を用いています。
 この「ほっかいどうアイヌ語アーカイブ」の「アイヌ語入門」でも、特に断りのない限り、 この表記法にしたがい、カタカナ表記とローマ字表記を併記する方法を基本にします。
 このほか、アイヌ語のカタカナ表記では、アイヌ語の発音をカタカナで表現するために、 日本語の五十音表には見られない表記法が工夫されています。これについては、 「アイヌ語の発音と表記 ミニ知識」を参考にしてください。

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